パーソナルトレーナーはトレーニング指導するだけの存在ではありません。たしかにトレーニング指導は主な業務ですが、他にもたくさんの行うべき重要な業務があります。今回はパーソナルトレーナーの仕事内容について解説します。
パーソナルトレーナーはトレーニングを始める前に、お客様の目的とトレーニング手法を擦り合わせるためにカウンセリングを行います。
カウンセリングでお客様の考えをしっかりと確認し、状況変化に応じて随時トレーニング計画を調整していきます。
また、トレーニング途中でも適宜カウンセリングを行いつつ、専属のパーソナルトレーナーとして知っておきたい情報を引き出します。そういった情報は、トレーニング計画策定やモチベーション維持などに活用します。そのためパーソナルトレーナーには、高度なコミュニケーション力が求められるでしょう。
トレーニングを行う中では、お客様の目的や悩みに対してどういうアプローチを行えば、効率的に体を変えられるかを考え続ける必要があります。ここがパーソナルトレーナーとして最も難しく、最も楽しい部分だと言えるでしょう。
当然、お客様によって年齢もトレーニング経験も、目的も、目的達成までの期間も多種多様です。そのため、無数にある組み合わせの中で、この方にはどういう手法をどの程度の強度で行うのかなど、トレーニング計画を調整し続けることが必要なのです。
お客様の体を変えるために
パーソナルトレーナーが
持っておくべき
知識/スキルとは?
トレーニングを行う中で、食事指導を行うことも必要。適切な食習慣が形成されているからこそ、お客様の体は変わっていくのです。
カウンセリングで普段の食事の内容をチェックした上で、その人に合った具体的な食事メニューを提案することが重要。
場合によっては、食事の写真を送ってもらいながら必要に応じてアドバイスを行い、モチベーション維持に働きかけます。いずれにしても、”栄養学”などの専門知識を持っていると、より良い指導が行えるでしょう。
トレーニング後には器具の点検・手入れ、清掃なども必要。トレーニング器具の劣化や故障は、お客様の怪我の原因に繋がる可能性があり、汗などがついたままの器具は不衛生です。
一つでも事故が発生するとジムの信頼に関わってくるため、パーソナルトレーナーはお客様の安全、安心、信頼を保つ必要があります。細心の注意を払って設備点検や入れ替えのチェック、ジム内の清掃などをトレーニングの合間に行わなければいけません。
また、ジムによっては電話対応や簡単な事務作業も仕事に含まれている場合があるので、パーソナルトレーナーはトレーニングを指導するだけの仕事ではない、ということを覚えておきましょう。
パーソナルトレーナーとして仕事をしていくにあたっては、広報活動も重要な仕事です。例えば、SNSを更新する、ホームページを更新する、ブログを執筆するといった活動のほか、集客のためのチラシを作成して配布するといったものも考えられます。
効率的に集客を行うためには、マーケティングやSEOに関する知識も必要となってきますが、非常に奥が深い分野でもあることから、まずは基本的な知識を身につけておくと良いでしょう。
パーソナルトレーナーは日々クライアントのトレーニングや食事に関する指導を行っていきます。その中で、自身の説明に説得力を持たせるとともにより良い指導を行うためには、自分自身の健康管理や体型管理も重要なポイントとなってきます。
さらに、指導を行う上では知識のアップデートも大切。新しいトレーニングや栄養に関する知識についても学び、自己研鑽を続けていくことによって、お客さまからの信頼にもつながっていきます。
日本国内においてパーソナルトレーナーとして働きたいと考えた場合、大きく4種類の働き方が考えられます。それぞれの特徴やメリット・デメリットについてまとめました。
パーソナルトレーナーとして働くパターンで多いのが、誰かが経営しているジムや、それを経営する母体企業などへ社員として入社・就職する方法です。雇用形態には正社員や契約社員、パート従業員など様々なものがありますが、いずれの場合も雇用されている企業に属したパーソナルトレーナーとして働くという形になります。
収入面で安定性を高めやすく、社会保険などにも加入できる反面、収入は給与ベースになるため独立して成功しているパーソナルトレーナーと比べると年収が控えめになることも少なくないでしょう。
個人事業主(フリーランス)として独立しつつ、特定の企業やジムと業務委託契約を結んで働くというスタイルもあります。
企業に正社員などとして所属するスタイルと異なり、フリーランスとして業務委託契約を請け負っている場合、パーソナルトレーナーが自分なりに指導方法を考えたり、勤務スケジュールに関してある程度の自由が認められたりと、比較的フレキシブルに働けることが特徴です。また、収入に関しては委託契約にもとづいて支払われるため、契約が継続する限りは安定的に収入を確保できることも強みです。
フリーランスとして働く上で、特定のジムへ所属したり契約したりすることなく、また自分自身のジムを持たずにフリーな状態で活動するというパターンもあるでしょう。
この場合、利用者から直接に依頼を受けて指導へ赴いたり、企業や団体から依頼されてセミナー感覚でトレーニング指導をしたりと様々なケースが考えられます。
パーソナルトレーナー本人の知名度や実績によって依頼数が増減するため、収入面でリスキーですが、成功すれば高収入を目指したり活躍の幅を広げたりすることも可能です。
自分自身でパーソナルジムを開業し、そこを利用するお客様から支払われる料金を収入源とするスタイルです。パーソナルトレーナーとして独立・開業を目指してジム経営を進める場合、利用者が増えるほどに売上増を見込むことができますが、ジムの運営にはランニングコストが発生するため、キャッシュフローがきちんと安定するような事業戦略を立てていくことがポイントとなります。
朝、起床したら出勤の準備をします。朝早く起床して自身のトレーニングを行う場合も。また、食事についてもクライアントに指導を行う場合もあるため、自分自身の食事についても栄養バランスなどに気を配ることが大切です。
出勤し、予約状況の確認やその日のセッションの準備、清掃などを行います。
トレーニングセッションを開始します。1つのセッションはおよそ60分程度となっており、その日の予約状況に応じてセッションを行っていきます。より良い効果を得られるよう、またケガの防止についても配慮しながら進めていきます。
セッションとセッションの間の時間など、タイミングを見てお昼休憩を取ります。
お昼休憩後、午後のセッションをスタートします。特に平日については仕事帰りの時間帯に予約が多くなることから、予約があまり入っていない日中には事務作業や広報活動を行う場合もあります。
また、夜までセッションの予約が入っている場合には、時間を見ながら夕食の時間を取ります。
セッションが終了したら、片付け・清掃を行い退社します。ジムや予約時間によって退社時間はバラバラになりますが、退社後も自分自身のトレーニングや勉強を行います。
パーソナルトレーナーとしての繁忙期は、年始から初夏にあたる「1〜6月頃」とされています。これは、正月太りを解消したいと考える人や、薄着になる夏に備えてボディメイクをしたいと考える人が多いためです。また、閑散期は秋から年末となっていますが、この時期はだんだんと厚着になっていくことからジムに通おう、と考えるきっかけが少ない点が影響していると考えられます。 このように、秋から年末にお客さまが減少するのはジムやパーソナルトレーナー個人に問題があるわけではありません。しかしこの時期に何も行わないとただ売上が落ちてしまうだけとなるため、何らかの対策が必要といえるでしょう。
パーソナルトレーナーとして長く働いていこうと考えた時、パーソナルトレーナーという仕事そのものの魅力・やりがいについてきちんと理解し、自分なりに納得した上で職業選択をしていくことが大切になります。
パーソナルトレーナーとしてのやりがいや魅力は、人によって感じ方や考え方の違いもありますが、それぞれのお客様の健康やライフスタイルへ寄り添いながら、その生活を土台からサポートしていけることにあるでしょう。また、お客様の体型やスタイルが改善されたり、健康的な生活を実現したりしていくのを目の当たりにすると、プロとして達成感ややりがいを抱けます。
健康的な肉体を手に入れることで精神的にも前向きになり、お客様から感謝されることも。色々な人々と信頼関係を築いて認められることは、プロとして活動する上で大きな励みにもなってくれます。
パーソナルトレーナーとしての給料や収入を試算する際、まずどのような働き方でパーソナルトレーナーを続けていくのか考えなければなりません。
正社員や契約社員として企業やトレーニングジムに所属して働く場合、パーソナルトレーナーの給料や年収は地域の平均月給とあまり変わらないと想定されます。ただし、パーソナルトレーナーとしての経験や実績に応じて昇給・賞与が認められる企業であれば、平均収入を上回ることも可能でしょう。
一方、個人事業主として独立・開業する場合、パーソナルトレーナーとしての収入はジムの運営・経営状況によって大きく異なります。経営に成功して高額な収入を得られるパーソナルトレーナーがいれば、自宅で隙間時間を使った副業感覚で続ける人も。働き方で様々な収入パターンが想定されます。
パーソナルトレーナーとして働くだけであれば資格は必要ありません。しかし、パーソナルトレーナーとして働くうえで専門の資格を取得している場合、就職・転職や宣伝で有利になることも事実です。
そもそもパーソナルトレーナーとして資格を取得するためには、それぞれの資格試験に合格したり専門講座を受講したりして、自分に専門的な知識や技術が備わっていると証明しなければなりません。つまり、資格を持っているということはパーソナルトレーナーとして客観的に実力やスキルを示せるということであり、初めて接する人にもプロとして信頼してもらいやすくなります。
パーソナルトレーナーとして働くためには、トレーニングについての知識や技術はもちろん、食事や栄養に関する知識や、人間の生理的な現象や仕組みに関する知識なども求められます。そのため、きちんとしたパーソナルトレーナーになるためには、専門的な勉強を通して十分な知識やスキルを習得することが不可欠です。
また、運動学や生理学、栄養学といった分野は日進月歩のジャンルであり、常にアンテナを張って新しい知識を学習していけるように意識しましょう。
専門知識を学ぶ方法としては、通学や通信講座など複数のスタイルがあるため、自分なりに納得できるものを選んで前向きに取り組んでいきましょう。
パーソナルトレーナーの仕事は、お客様の目的に合わせて体を変え、不調を改善すること。年齢も、性別も、目的も、スポーツ経験も様々なお客様に対応していくことは、容易ではありません。
お客様の体を変えることで、トレーナーとして本気で活躍したいなら、そういった多様なニーズであふれる現場で苦労しない「知識」と「技術」を持つ必要があります。
重要なのは資格を取ることでなく、現場で活躍できる知識と技術を持っているかどうかということ。そのためには、現場目線でカリキュラムを組んでくれるスクールに通うべきなのです。
当メディア「トレ道」編集チームでは、現場で活躍できることに主軸を置いている「Dr.トレーニングスクール」を取材しました。
現場での活躍を見据えているからこそ、在籍する講師陣は、すべてが年間1,000セッション以上の実績を持つ現役トレーナーばかり(2023年1月時点)。
また、スクールのカリキュラムはアメリカの国家資格である「BOC-ATC」や「NSCA-CSCS」の知識・スキルをベースに構成。そのカリキュラム内容は、日々発表される論文や文献を基に、アップデートを定期的に実施する徹底ぶり。
“本気”で学びたい全ての人へ、“本物”の知識と経験を伝えるからこそ、パーソナルトレーナーとしての市場価値を高められるのです。